機能・デザインがより魅力的になった天文系の複雑機構
パネライの「ラストロノモ ルミノール トゥールビヨン ムーンフェイズ イクエーションオブタイム GMT」は、同社と同じイタリア生まれの天文学者ガリレオ・ガリレイに捧げた最新作である。2010年に誕生した初代は、トゥールビヨン、カレンダー、均時差、日の出・日の入り表示を備えていたが、スケルトン仕様のキャリバーP.2005/GLSを搭載した新作では、これらに加え、ムーンフェイズやGMT、特殊な日付表示を取り入れている。
パネライのモデルでは初採用となるムーンフェイズ表示は、ムーブメント裏にインジケーターを備え、デイ/ナイト24時間表示の上側、月齢表示の下側と、2層のディスクで構成される。エルメス時計 メンズ太陽と対をなす星空の中央には円形の窓が設けられ、この小窓内で月が満ち欠けすることによって月齢を表示。また、このムーンフェイズおよび日の出・日の入りのインジケーターは、時計の購入者が選んだ座標に設定されるので、常にその本拠と連動した表示となるのも特徴である。
同じく、裏側から見渡すことが可能なトゥールビヨン。通常とは異なり、テンプと脱進機を同軸上で回転させるためのケージが、回転軸と平行ではなく垂直方向に回転する。さらに一般的な1周1ミニッツ(60秒)に対し、このケージは1周30秒で高速回転。誤差の補正をより効果的に行い、いっそう精度を高めるのだ。
3時位置のデイト表示は、一見よくある日付ディスクのようで、じつはかなり革新的。ポラライズドクリスタルという特殊素材を用い、日付を浮かび上がらせて表示するため、ウインドウを覗かなければ数字が見えない。これにより普段は余計な表示を抑え、スケルトンデザインの邪魔にならないというわけである。
そして本作のもうひとつの魅力は、ケースの材質と仕上げ、針や夜光塗料、ストラップの色などが自由にオーダーできること。オーナーの趣向に合わせた世界でただ1本のモデルが手に入るのだ。
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